Argogorytes mystaceus　(Linnaeus,1761)
【体長】12-17mm。
【発生期】春季-初夏に活動すると思われるが、詳細は不明。
【分布】北海道、本州、四国、九州；朝鮮半島、中国、サハリン、ユーラシア。

日本、朝鮮半島、中国、サハリンに分布するのは、オオトゲアワフキバチ本土亜種・オオトゲアワフキバチ　A. m. grandis　(Gussakovskij,1932)　とされる。
以前はオオキスジジガバチの和名で呼ばれており、オオアワフキバチの名称もある。
泡巣に潜むアワフキムシの幼虫を狩る。
日本亜種の営巣基は、観察記録がないようだが、ヨーロッパの亜種の一つと思われるものは、土手の乾いた土壌に営巣するという。
また英国の記録として、湿った森林の裸地に営巣し、10cmの深さの主坑から、水平に出した枝坑の先に育房を掘り、多房巣をつくるとされている。
アナバチ類のように最初の獲物に産卵し、1育房に19-27頭のアワフキムシの幼虫を貯食し、巣口の一時閉鎖は行わないという。
近縁で日本固有種のニッポントゲアワフキバチは、朽ち木に営巣するとされている。 茂みの中で獲物のアワフキムシの泡巣を探すメス。
2012年5月20日、佐賀市。 アワフキムシの幼虫を狩り運ぶ途中、アカメガシワの枝で休むメス。
2013年5月18日、佐賀市。 シダの葉の上で休むメス。
椎茸のほだ木のある場所で。
2016年5月4日、佐賀市。 アワフキムシの幼虫は、根元に近い場所にも多く泡巣を作るが、迷わず茂みの中へ入っていき、探し当てる。
2012年5月20日、佐賀市。 泡巣にいるアワフキムシの幼虫を狩る。
2015年5月15日、佐賀市。 狩ったアワフキムシの幼虫を運び出す。
2016年5月15日、佐賀市。 蜂は泡巣を見つけると、いきなり巣内に攻撃を加えず、周りを探ることが多い。
アワフキムシの幼虫が、蜂の接近を察知して、泡巣から逃げ出すことがしばしばあるからだ。
このアワフキムシは、逃げ出したはいいが、鉢合わせになってしまう。
しかしこの時は運よく地面に逃れた。
蜂の方は獲物と気づかなかったのか、この後泡巣を探りにいった。
2015年5月17日、佐賀市。 アワフキムシの幼虫を狩り、ヨモギの茎を登っていく。
2012年5月20日、佐賀市。 泡巣から引き出してからも、麻酔行動を続ける。
2016年5月15日、佐賀市。 泡巣の中にいるアワフキムシの幼虫に、針を刺す。
2012年5月20日、佐賀市。 獲物を中肢で持ち、飛び立つ。
2016年5月15日、佐賀市。