Isodontia harmandi　(Pérez,1905)
【体長】15-25mm。
【発生期】夏季。化性は不明。
【分布】本州、四国、九州、対馬；朝鮮半島。

アルマンモモアカアナバチとも呼ばれる。
カミキリムシの脱出孔等、大きめの既存坑に営巣する。
岩田久二雄氏が、常にと記述しているほど単房巣が多いが、長い坑道には2房設けることがある。
竹筒のトラップネストは、内径30mm近いものを好んで利用する。
隔壁はコケを利用するが、巣の最外部を塞ぐ時は、植物の根等も利用する。
ササキリ類やツユムシ、クツワムシ、ササキリモドキ等を狩るが、1種の獲物を狩ることが多いという。
先に搬入した数頭の獲物にそれぞれ1卵を産下し、続けて産卵数に見合う多数の獲物を蓄えるが、孵化した幼虫は共食いせずに成長する。 ササキリモドキのメスを竹筒のトラップネストに搬入する。
触覚をくわえ、中肢と後肢でささえている。
触覚はコクロアナバチの様に切断しない。
2014年8月13日、佐賀市。 ササキリモドキのオスを搬入する。
メスの比率が多く感じるが、実際に嗜好性があるのか不明。
獲物は触覚を口でくわえ、中肢と後肢で支えて運ぶ。
前肢は着地のために空けておく様だ。
2014年7月27日、佐賀市。 ササキリモドキのメスを搬入する。
巣口にあふれるほど、一時閉鎖の巣材が詰められている状態での、獲物搬入は珍しい。
2015年8月9日、佐賀市。 前年多数が営巣したトラップネストの、下の地面に降り立つオス。
巣材が落下しているが、匂いを感じている様だ。
2015年7月19日、佐賀市。 トラップネストを多数のオスが飛び交う。
羽化してくるメスを待っている様だ。
2015年7月19日、佐賀市。 入り口のコケの一時閉鎖を解いて、獲物を置いてハチは巣の奥へ進む。
2011年7月24日、佐賀市。 狩りに出かけるメス。
2011年7月24日、佐賀市。 地面からコケを噛み切るメス。
よく事前に羽ばたき始めて、噛み切ると同時に飛び去る姿が見られる。
2015年8月23日、佐賀市。 山道脇の大岩に生えた、巣材のコケを採取する。
噛み切り終わる前に羽ばたき始めることが多い。
2008年7月21日、佐賀市。 巣材のコケを搬入する。
2014年8月17日、佐賀市。

初期の巣内。
一時閉鎖用の巣材のため、まだ少な目だ。
2010年7月25日、佐賀市。

搬入されているのは、全てササキリモドキの一種。
5頭全てに卵が産み付けられている。
コケで一時閉鎖され、狩りの準備が出来たと思しき巣を観察していると、長時間帰巣せず、唐突にコケを搬入したりする。
おそらく巣内はこの様な状況まで進捗しており、乾燥により縮んだ巣材を補填しながら、狩りのタイミングをゆっくり見定めているのかも知れない。 貯食し終わり、巣を閉鎖するためのコケを運ぶ。
2014年7月27日、佐賀市。 植物の枝を運ぶ。
巣の最外部に詰め込むのは、コケ以外も用いる。
育房の隔壁はコケだけである。
2011年8月7日、佐賀市。 多くがアルマンアナバチに使われた、竹筒のトラップネスト。
最外部には塞ぎ終わってから、さらにはみ出る様に巣材が詰め込まれる。
2015年8月9日、佐賀市。 柱と板の隙間に作られた巣。
2024年8月3日、兵庫県姫路市。 針葉樹の枯れ葉も利用する。
2015年8月9日、佐賀市。 完成した巣。
最外部には枯草の葉が詰められている。
2009年8月22日、佐賀市。 １つの育房の中で複数の幼虫が成長している。 多数の幼虫が、繭を紡いだ。
2010年8月29日、佐賀市。